何故だろう、ここを知っている。初めて訪れたはずなのに。私はいま、シグナギの丘の上にあるボドベ修道院から遠くコーカサス山脈見渡している。
4世紀の頃、ブドウの枝を自分の髪で結わえて十字架を作り、その十字架を握りしめながら、ジョージアの大地へと踏み込んでいった聖女ニノが眠るボドベ修道院に足を踏み入れた途端、涙か溢れた。
まるで懐かしい故郷に還ってきたかのように・・・
古代の東ジョージアにあったイベリア王国では4世紀の初め頃、隣のアルメニアに次いで世界で2番目にキリスト教を国教と定めました。ジョージア正教会総主教座はトビリシに移転しましたが、現在もムツヘタはジョージア人の信仰の中心地です。ジョージアにキリスト教をもたらした聖女ニノが十字架を立てた聖地に建立されています。ニノは4世紀の頃、ブドウの枝を自分の髪で結わえて十字架を作り、その十字架を握りしめながら、ジョージアの大地へと踏み込んでいったと伝えられています。この聖女にちなんでジョージアにはニノという名前の女性が大勢います。